結論:投資用マンションの繰り上げ返済は「手元に備えの現金を残せるなら、検討する価値がある」。ただし、手元の現金を全部入れるのは一番もったいない使い方です。
「ボーナスが出たので、ローンを繰り上げ返済した方がいいですか?」
金利が上がり始めてから、オーナー様からこの質問を受けることが増えました。京都・大阪で20年以上、投資用マンション営業の現場にいる鍛太(けんた)です。宅建士。今日は、繰り上げ返済をするかどうかを、現場で使っている判断の順番で整理します。
繰り上げ返済は2種類ある
- 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする。支払う利息の総額が減る効果が大きい
- 返済額軽減型:返済期間はそのままで、毎月の返済額を下げる。毎月の手残り(キャッシュフロー)が増える
「利息を減らしたい」なら期間短縮型、「毎月の余裕を増やしたい」なら返済額軽減型。目的によって選ぶ型が変わります。手数料は金融機関によって無料のところも有料のところもあるので、先に確認してください。
判断の順番①|手元に「備えの現金」が残るか
一番大事なのはここです。投資用マンションには、予定外の出費があります。空室の期間、設備の故障、大規模修繕の一時金、金利の上昇。これに備える現金は、ローンを減らすより先に確保しておく必要があります。
繰り上げ返済したお金は、あとから引き出せません。現金が足りなくなって困るのは、ローンが残っていることより、手元にお金がないことの方です。生活費と物件の備えを残して、それでも余る分だけを検討する。これが順番です。
判断の順番②|金利のタイプと、この先の金利
変動金利で借りていて、金利上昇が心配なら、繰り上げ返済で残債を減らすことは上昇の影響を小さくする手段になります。一方、低い固定金利で借りているなら、急いで返す理由は弱くなります。金利の動きと投資への影響は、別の記事で詳しく書きました。

判断の順番③|あと何年持つ予定か
数年以内に売る予定があるなら、繰り上げ返済の意味は小さくなります。売却のときに、残っているローンはまとめて返すからです。逆に、長く持ち続けるつもりなら、利息を減らす効果は年数の分だけ積み上がります。売るか持つかで迷っている方は、先にこちらを読んでください。

見落としやすい2つのこと
ローンの利息は経費になっている
投資用マンションのローン利息は、不動産所得の経費として計上できます。繰り上げ返済で利息が減ると、その分だけ経費も減り、税金が増えることがあります。「減った利息の分だけ得をする」わけではありません。効果は税金まで含めて考えてください。具体的な計算は税理士に確認するのが確実です。
団信の保障も一緒に減る
団体信用生命保険(団信)に入っている場合、万一のときに返済されるのは、その時点で残っているローンの額です。繰り上げ返済で残債が減れば、保障される額も減ります。「生命保険の代わり」として持っている方は、この点も判断に入れてください。
まとめ
- 繰り上げ返済は「期間短縮型」と「返済額軽減型」。目的で選ぶ
- 判断の順番は、①備えの現金が残るか ②金利のタイプと先行き ③あと何年持つか
- 利息は経費になっている。団信の保障も減る。効果は税金と保障まで含めて見る
- 手元の現金を全部入れるのは、一番もったいない使い方
「自分の場合はどうか」を整理したい方は、手元に残るお金の考え方をまとめたこちらもどうぞ。

きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
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