「この物件、いつ売ればいいですか?」
投資用マンションを持っている方から、近年ますます増えている質問です。買うときはあれだけ悩んだのに、売り時については「なんとなく、いつか」のまま——という方が実は多い。
京都・大阪で20年以上、投資用マンション営業の現場にいる鍛太(けんた)です。宅建士。売る側として物件を売り、近年は売却のご相談・仲介も多く担当しています。今日は「売り時」を、現場で使っている3つの判断軸で整理します。
結論|売り時は「相場」「物件」「自分」の3つの軸で決まる
先に結論です。売り時を相場だけで考えると、たいてい迷子になります。現場で見てきた実感では、売り時は次の3つの軸の重なりで決まります。
- 相場の売り時——市場に買い手がいるか
- 物件の売り時——物件の価値が落ちる節目の前か
- 自分の売り時——保有する目的がまだあるか
順番に見ていきます。
軸①相場の売り時|「高いか」より「買い手がいるか」
「価格が上がりきったところで売りたい」——気持ちは分かりますが、天井は誰にも分かりません。売る側として大事だと思うのは、価格そのものより「今、その物件を買える人が市場にいるか」です。
不動産の買い手の多くはローンを使います。つまり金利や融資の環境が変わると、買える人の数が変わる。買い手が多い時期は、価格だけでなく売却にかかる時間も短くなります。「高く売れるか」と同じくらい、「早く・確実に売れるか」を見てください。

軸②物件の売り時|価値が変わる「節目」の前に動く
物件には、価値の評価が変わりやすい節目があります。現場でよく意識するのは次のようなタイミングです。
- 築年数の節目——築20年・25年・30年など、買い手の融資条件が変わりやすいライン
- 大規模修繕の前後——修繕積立金の値上げや一時金の話が出る前か後かで、買い手の見方は変わる
- 賃借人の入れ替わり——空室になったタイミングは、実需(自分で住む人)にも売れる数少ない機会
ポイントは、どの節目も「過ぎてから」では選択肢が減るということ。節目の少し手前が、物件の売り時です。
軸③自分の売り時|「持ち続ける目的」に答えられるか
3つの中で一番大事なのが、実はこれです。「この物件を持ち続ける目的は何ですか?」と聞かれて、はっきり答えられるうちは持っていていい。答えに詰まったら、それが検討のサインです。
現場でよくあるのは、「買った当時の目的(節税・年金代わり・生命保険代わり)がもう終わっている」のに、なんとなく持ち続けているケース。目的が終わった資産は、次の目的(教育資金・住み替え・相続の整理)のために動かした方が働きます。
また、ご自身が高齢になってきた場合の「決めないまま時間が過ぎるリスク」については、別の記事で詳しく書きました。

売り時を逃す人の共通点|「相談する相手がいない」
20年見てきて、売り時を逃す方の共通点は、相場観がないことではありません。売却の相談を気軽にできる相手がいないことです。
買ったときの担当者が退職していて、どこに聞けばいいか分からない。査定に出すと売り込みが来そうで怖い。そうして「また今度考えよう」が数年続く——これが一番多いパターンです。担当者がいなくなった物件の対処は、こちらにまとめています。

まとめ|「いつか売る」を「いつ売るか」に変える
- 売り時は「相場(買い手がいるか)」「物件(節目の前か)」「自分(目的が残っているか)」の3軸で考える
- 天井を当てようとしない。「早く・確実に売れる時期」も売り時のうち
- 目的に答えられなくなったら検討のサイン。節目は過ぎる前に動く
売るかどうかを決めていなくても、「今売ったらどうなるか」を知っておくだけで、判断はずっと楽になります。公式LINEでは、売り込みではなく現状整理のお手伝いをしています。「まだ売らないけど、話だけ」も歓迎です。
きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
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