「プロのあなたなら、どんな物件を買うんですか?」
お客様からたまに聞かれる質問です。今日はその逆、「私なら絶対に買わない物件」の話をします。こちらのほうが役に立つからです。
鍛太(けんた)です。京都・大阪で投資用マンションを売っている現役営業マンです。
売る側として毎日物件資料を見ていると、「これは自分なら買わないな」と感じる物件には共通点があります。今日はそれを5つ、包み隠さず書きます。
結論:買わない理由はすべて「出口」に行き着く
先に結論です。
私が買わない物件の共通点は、値段でも利回りでもありません。「売りたくなった時に、買い手が投資家しかいない物件」です。
投資家は利回りから逆算して指値をしてきます。つまり出口が投資家だけの物件は、売却価格を相手に握られている物件です。この視点で、5つ見ていきます。
1. 駅から遠いのに「利回りが高い」物件
利回りが高い物件には、高いなりの理由が必ずあります。一番多いのが立地です。
駅徒歩15分・築古・郊外。こういう物件は価格が安いので、計算上の利回りは立派な数字になります。でも空室になった時、次の入居者がなかなか決まりません。空室期間中の利回りはゼロです。
紙の上の利回りと、実際に入ってくる家賃は別物です。
2. 新築の投資用ワンルーム
このブログで何度も書いていますが、あらためて。
新築価格には広告費や販売経費が乗っています。買った瞬間に「中古」になり、市場価格はおおよそ2割下がります。10年間の家賃収入が、購入時の値下がり分を取り返すだけで終わるケースを、私は何度も見てきました。
住むなら新築は最高です。でも投資として、私は買いません。
3. 管理費・修繕積立金が「安すぎる」物件
意外かもしれませんが、安すぎるのは危険信号です。
修繕積立金が相場より明らかに安いマンションは、将来の大規模修繕の資金が貯まっていない可能性があります。その場合どうなるか。あとから積立金が値上げされるか、一時金を請求されるか、修繕されずに建物が傷んでいくかの三択です。
どれになっても、所有者の負担か資産価値の下落につながります。毎月の出費が安く見える物件ほど、長期修繕計画を確認してください。
4. 「サブリース前提」でしか収支が組めない物件
サブリース(家賃保証)を外すと収支が回らない物件は、そもそも物件の力が足りていません。
保証賃料は数年ごとに見直されるのが一般的で、下がる方向に見直されることが多いです。保証があるから安心なのではなく、保証がないと成立しない時点で危険。サブリースは「あってもなくても回る物件」に付いていて初めて意味があります。
5. 周辺に賃貸物件が増え続けているエリアの物件
物件単体がどれだけ良くても、周りに新しい賃貸マンションがどんどん建っているエリアでは、家賃競争に巻き込まれます。
入居者から見れば選択肢が増えるほど、古い物件は家賃を下げるしかなくなります。買う前に、そのエリアの新築供給がどうなっているか。物件資料には絶対に書いていないので、自分で現地を歩いて確かめるしかありません。
買う前のチェックリスト
- その利回りは「満室想定」ではないか
- 新築プレミアムを払っていないか
- 長期修繕計画と積立金の残高を確認したか
- サブリースを外しても収支が回るか
- 周辺の新築供給と家賃相場の推移を調べたか
- 10年後、投資家以外にも売れる物件か
まとめ
- 買わない物件の共通点は「出口が投資家しかいない」こと
- 高利回り・新築・積立金が安い・サブリース前提・供給過多エリアは要注意
- 資料の数字より、現地と長期修繕計画を見る
全部がダメとは言いません。条件次第で成立する物件もあります。ただ、営業マンが売りやすい物件と、買った人が得する物件は、必ずしも同じではない。売る側にいるからこそ、それを知っています。
きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
▼次に読む:こういう物件を勧めてこない会社を最初に選べば、見分ける苦労は要りません。選び方はこちら。


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