「相続対策って、何かやっといた方がいいんですよね?」
商談でこう聞かれることが、この数年で本当に増えました。相続税や贈与税の話題が増えて、「何かしなければ」という気持ちだけが先にある——実は、この「ふわっとした状態」のまま動くのが、一番失敗しやすいパターンです。
京都・大阪で20年以上、投資用マンション営業の現場にいる鍛太(けんた)です。宅建士。相続がらみのご相談も6年以上前から増え続けています。今日は現場で見てきた「相続対策のよくある勘違い」を、本音で整理します。
結論|相続対策の失敗は「知識不足」より「順番と放置」から起きる
先に結論です。相続で困る家族を見てきて感じるのは、失敗の原因は難しい知識の不足ではなく、やる順番の間違いと、やった後の放置がほとんどだということです。以下の5つの勘違いは、全部ここにつながっています。
勘違い①「相続対策=節税」だと思っている
相続対策は本来3つあります。分ける準備(分割)、払う準備(納税資金)、減らす工夫(節税)。順番もこの通りです。ところが世の中の情報は節税の話ばかりで、いきなり③から入る方が多い。
でも現場で一番もめるのは、税金ではなく「分け方」です。税金が減っても家族がもめたら、それは対策として失敗です。節税は大事ですが、順番は最後でいい。
勘違い②「一度やったら終わり」だと思っている
家族の状況は変わります。子どもの独立、孫の誕生、健康状態、そして税制も変わり続けます。数年前に作った対策が、今の家族に合っているとは限りません。
相続対策は「作って終わり」ではなく「ときどき見直すもの」。私は、対策の中身より「年に一度、見直す機会があるか」の方が大事だと思っています。
勘違い③「現金で残す方が親切」だと思っている
「不動産は面倒だから現金で」と考える方は多いのですが、相続税の計算では、現金はその金額のまま評価され、不動産は一般に時価より低く評価されます。つまり同じ価値でも、残し方で税負担が変わる。
もちろん、不動産で残すことが常に正解ではありません(管理や分けにくさの問題があります)。ただ「現金が一番シンプルで親切」という思い込みだけで決めるのは、選択肢を1つ捨てている状態です。詳しくは下の関連記事で書いています。
勘違い④「家族に相続の話をするのは縁起が悪い」
現場で見てきた実感として、家族が知らない相続対策は、もめる元になります。本人だけが知っている対策は、いざという時に「聞いてない」「なぜ勝手に」となりやすい。
逆に、家族が事情を分かっている家は、意思決定が速くて、もめません。縁起の問題ではなく、情報共有の問題です。元気なうちに話せる家族ほど、強い。
勘違い⑤「誰に相談すればいいか分からない」まま先送りする
相続は、税務は税理士、登記は司法書士、もめごとの予防は弁護士、不動産の評価や出口は不動産の専門家——と、複数の専門家にまたがるテーマです。「誰に聞けばいいか分からない」となるのは当然なんです。
だから「全部分かる誰か」を探すより、「それぞれの専門家をつないで全体を見る」体制を作る方が現実的です。分からないまま先送りにする時間が、一番もったいない。
では、何から始めるか(3ステップ)
- 資産の棚卸し——不動産・預貯金・保険・借入を一覧にする。これだけで相談の質が変わります
- 家族と共有する——完璧な結論はいらない。「考え始めている」と伝えるだけで違います
- 分野ごとの相談先を決める——税金の具体的な判断は、必ず税理士など専門家に確認を
まとめ
- 相続対策は「分割→納税→節税」の順。節税から入らない
- 一度作って終わりではなく、年に一度の見直しを
- 残し方(現金か不動産か)は思い込みでなく比較で決める
- 家族との共有と、専門家をつなぐ体制——これが失敗しない土台
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きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
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