「うちの税理士さん、何も提案してくれないんですよ」
開業医の先生との商談で、本当によく聞く言葉です。経営のこと、退職金のこと、相続のこと——相談したいことは山ほどあるのに、顧問の税理士さんからは毎月の試算表と申告の話だけ。「うちの税理士、大丈夫かな」と感じている先生は、実は少なくありません。
京都・大阪で20年以上、投資用マンション営業の現場にいる鍛太(けんた)です。宅建士。医師や経営者の方との商談経験から、「売る側しか知らない本音」をこのブログで書いています。
結論|税理士が悪いのではなく、「役割の外」になっていることが多い
先に、大事なことを言います。これは税理士さんが怠けている話ではありません。
税理士さんの本業は、税務と申告です。多くの顧問契約は「記帳・申告を正確にやる」ことが中心で、資産運用や不動産、退職金の設計、法人化の見直しといった「提案」は、そもそも契約の範囲に入っていないことが多い。先生が期待していることと、契約で頼んでいることの間に、ズレがあるだけなんです。
「提案がない」と感じたら、税理士さんを疑う前に、このズレを確認してみてください。
現場で実際にあった話
以前、経営のことで悩まれていた開業医の先生とお会いしたことがあります。「税理士も何も提案してこない」とおっしゃっていました。個人が分からないよう詳細は変えていますが、決算書と申告書を拝見すると、退職金の準備、リースの返済方法、日々のお金の流れ——見直せる点がいくつもありました。
でも、それは税理士さんの落ち度ではなかったと思います。その先生の顧問契約は申告業務が中心で、経営や資産の相談は誰の担当でもないまま、宙に浮いていた。誰も悪くないのに、先生だけが不安を抱えている——この構図を、現場で何度も見てきました。
「提案がない」と感じたときに確認したい3つのこと
- 顧問契約の範囲を確認する——記帳・申告のみの契約か、経営助言まで含む契約か。ここを把握していない先生は驚くほど多いです。範囲外のことは、頼んでいないのだから出てこなくて当然です。
- 聞き方を変えてみる——「何かいい方法ないですか」ではなく、「退職金の準備はこのままでいいですか」「法人化のメリットはうちにありますか」と具体的に聞く。専門家は、具体的な問いには具体的に答えてくれます。
- 分野ごとに相談先を分ける——税務は税理士、融資は金融機関、不動産と出口は不動産の専門家。全部をひとりの専門家に期待すると、どうしても穴が生まれます。
専門家は「つなぐ」と一番働く
私は商談で「医療のことは分かりません」と正直に言います。その代わり、不動産とお金の流れのことは、20年の現場で見てきた。税理士さんには税理士さんの専門があり、私には私の持ち場がある——専門家は、それぞれの持ち場で、お互いをつなぐと一番働きます。
だから私は、自分の提案をお客様の税理士さんに見てもらうよう、こちらからお願いすることもあります。良い提案なら、専門家同士は自然に協力できるからです。「誰か一人に全部任せる」より「それぞれの専門家をつないで全体を見る」——先生の資産にとっては、その方がずっと安全です。
まとめ
- 「提案がない」の多くは、税理士さんの怠慢ではなく契約範囲のズレ
- 確認するのは3つ:契約の範囲・聞き方・分野ごとの相談先
- 専門家は「一人に全部」ではなく「つないで全体を見る」が正解
「うちは誰に何を相談すればいいのか分からない」——そんな状態の先生は、まず全体の整理からです。公式LINEでは売り込みではなく、現状整理のお手伝いをしています。どの分野を誰に相談すべきかの交通整理だけでも、お役に立てると思います。
きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
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