「ワンルームは出口が弱いって聞いたので、広めの1LDKにしようと思うんです」
最近、商談でこう言われることが増えました。以前この記事で、出口に強い物件の条件を書いたせいかもしれません。
でも、ここで一度立ち止まってほしいんです。「40㎡の1LDKなら出口に強い」——これ、半分ホントで、半分ウソです。
京都・大阪で20年以上、投資用マンション営業の現場にいる鍛太(けんた)です。宅建士。売る側の人間だからこそ分かる本音を、このブログでは書いています。
結論|出口の強さは「間取り」ではなく「買い手の数」で決まる
先に結論です。
40㎡1LDKが出口に強いと言われる本当の理由は、「買い手の種類が2つある」からです。
- ワンルーム(20㎡前後)を買うのは、基本的に投資家だけ
- 40㎡クラスの1LDKは、投資家に加えて、自分が住むために買う人(実需)も買い手になる
売却とは、要するに「買ってくれる人を探すゲーム」です。買い手の層が2つある物件は、1つしかない物件より売りやすい。ここまでがホントの部分。
じゃあウソの部分は何か。「40㎡1LDKなら、どれでも出口に強い」わけではない、ということです。
実需の買い手は「投資家と違う物差し」で見てくる
投資家は利回りで値段を判断します。家賃収入から逆算して「この値段なら買う」と決める。ドライな世界です。
でも実需の買い手は違います。「ここに住みたいか」で判断します。
- 駅からの道は夜でも安心か
- 部屋に入った瞬間の印象はどうか
- 水回りは古びていないか
- 管理は行き届いているか(エントランスやゴミ置き場を見れば分かります)
つまり、40㎡1LDKの「実需にも売れる」という強みは、「住みたいと思われる物件であること」が条件付きなんです。立地が弱い、管理が荒れている、室内が傷んでいる——そういう1LDKは、結局投資家にしか売れません。それなら出口の強さはワンルームとあまり変わらない。
広さと住宅ローン減税の関係(2026年版)
もう一つ、現場で必ずお伝えしていることがあります。広さと住宅ローン減税の関係です。
2026年の住宅ローン減税では、床面積要件は原則40㎡以上です。ただし、40㎡以上50㎡未満の物件は「合計所得金額1,000万円以下」などの条件があります。所得や世帯の条件、住宅の省エネ性能などによって適用は変わるため、購入前に国土交通省・国税庁の最新情報を必ず確認してください。
売る側の視点で言うと、ここは「実需の買い手がその物件で減税を使えるかどうか」の話です。使える物件は実需に売りやすく、使えない物件は買い手の層がその分だけ狭くなる——出口の強さに直結します。
現場の実感|買い手が2種類いると、値段の決まり方が変わる
売る側の本音を言うと、買い手の層が2つある物件は値段の決まり方そのものが違います。
投資家しか買わない物件は、利回りから逆算した値段が上限です。家賃が下がれば、売値も機械的に下がる。
実需も買う物件は、「住みたい」と思った人が周辺の相場と比べて値段を判断します。家賃相場とは別の物差しがもう1本あるわけです。この「物差しが2本ある」状態が、出口の強さの正体だと私は思っています。
買う前のチェックリスト|その1LDK、物差しは2本ありますか?
40㎡クラスの1LDKを検討するなら、買う前にこれを確認してください。
- 駅からの距離と道のりは、自分が住むとしても納得できるか
- 単身者・二人暮らしの賃貸需要があるエリアか
- 管理状態は良いか(共用部を自分の目で見る)
- 室内・水回りの状態は、実需の買い手が見ても印象が良いか
- 床面積と住宅ローン減税の適用条件を確認したか(原則40㎡以上・所得等の条件あり)
- 「投資家にしか売れない1LDK」になっていないか
全部Yesなら、その1LDKは本当の意味で「出口に強い」可能性が高いです。
まとめ
- 40㎡1LDKの強みは「投資家+実需」の買い手が2層あること
- ただしそれは「住みたいと思われる物件」であることが条件
- 間取りだけで安心しない。立地と管理が、出口の強さを決める
「1LDKだから大丈夫」で買うのは、「ワンルームだからダメ」で避けるのと同じくらい、雑な判断です。物件は間取りではなく、買い手の顔ぶれで見る。これが売る側にいる人間の実感です。
もっと突っ込んだ話(あなたの検討中の物件がどちらのタイプか、など)は、公式LINEで気軽に聞いてください。売り込みはしません。
きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
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