「利回り10%の物件が出ました。かなりお得です」
こんな営業トークを受けたら、まず疑ってください。
鍛太(けんた)です。京都・大阪で投資用マンションの営業をしている現役の営業マンです。
今日は、不動産投資で一番カモられやすいポイント、「利回り」の話をします。
先に結論です。
広告や営業トークに出てくる利回りは、ほぼ「表面利回り」。実際にあなたの手元に残るお金は、その半分以下になることもザラです。
表面利回りとは?「都合のいい数字」です
表面利回りの計算式は、とてもシンプルです。
表面利回り(%) = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
例えば、価格1,000万円・家賃月8.3万円(年間約100万円)の物件なら、表面利回りは約10%。
「1,000万円投資して、年100万円入る。10年で元が取れる!」
そう見えますよね。でも、この計算には大事なものが全部抜けています。
実際に引かれるお金、全部並べます
物件を持つと、毎年こういうお金が出ていきます。
・管理費、修繕積立金
・賃貸管理会社への手数料(家賃の5%前後)
・固定資産税、都市計画税
・火災保険料
・設備の修理費(給湯器、エアコンなど)
・入退去時の原状回復費、広告料
・空室期間の家賃ゼロ
そして、ローンで買っていれば金利の支払いも乗ってきます。
シミュレーション:利回り10%の正体
さっきの物件で、ざっくり計算してみます。
年間家賃収入:100万円
▼ここから引かれるもの(年間)
・管理費、修繕積立金:24万円
・賃貸管理手数料:5万円
・固定資産税など:8万円
・保険、修繕の積み立て:5万円
・空室損(2年に1ヶ月と想定):4万円
合計:約46万円
手元に残るのは、約54万円。
実質利回りは5.4%まで下がりました。表面10%の物件の、これが「素顔」です。
ローンの金利支払いがあれば、ここからさらに減ります。
なぜ業者は表面利回りで話すのか
答えはシンプルで、数字が大きく見えるからです。
「利回り10%」と「実質5%前後」。どちらが売りやすいかは、言うまでもありません。
ウソではないんです。表面利回りも計算上は正しい数字です。ただ、あなたの判断を狂わせる「都合のいい数字」ではあります。
自分の身を守るチェックリスト
物件資料を見る時は、この順番で確認してください。
- 家賃は「現在の入居者の家賃」か「想定家賃」か
(想定家賃は強気に盛られていることがあります) - 管理費、修繕積立金はいくらか
- 修繕積立金は将来値上げの計画がないか
- 空室になった場合、同じ家賃で決まりそうか
- 全部引いた後、毎月いくら残るのか(または出ていくのか)
営業マンに聞くべき質問はこれです。
「実質利回りだと、何%になりますか?」
即答できない、話をそらす、表面の話に戻したがる。そんな営業だったら、その物件は見送りで大丈夫です。
まとめ:見るべきは「いくら入るか」ではなく「いくら残るか」
・広告の利回りは、ほぼ表面利回り
・実際は諸経費と空室損で、手残りは大きく減る
・表面10%が実質5%前後になるのは普通にある話
・「実質利回りは?」の一言が、あなたを守る
数字は、正しく見れば裏切りません。裏切るのは、数字の見せ方です。
きれいごとは言いません。一緒に知識を鍛えていきましょう。
▼次に読む:収支表の「前提」まで正直に見せてくれる会社の選び方はこちら。


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